私がうつを克服した体験から皆さんにお伝えしたい事

安井裕貴 やすいひろたか

広島うつ専門カウンセリング こころの回復相談室 代表
双極症当事者団体NPO法人ノーチラス会 広島支部 世話人

想定する対象者

うつで苦しむ当事者の方、そのご家族、支援する医療関係者の方に向けたメッセージです。

提供する価値・伝えたい事

うつ専門カウンセラー 安井裕貴(やすいひろたか)と申します。

人の役に立ちたいと医療の世界に飛び込んだ私。しかし、希望に満ちていた私に待っていたのは双極症によるうつ症状でした。周りに相談できる人もおらず、どうしたらいいのか分からずに闇の中をさまよいました。時間はかかりましたが、試行錯誤していくうちに、少しずつうつへの対処方法が分かるようになってきたのです。今ではうつになることはなくなり気分も安定した状態を長く維持することができているため、とても楽に、本来の自分らしく生活することができています。

うつを克服するということは、必ずしも通院が終了することや、薬がなくなることだけではありません。

日々強いストレスにさらされ、多く方の心が疲弊しているのではないでしょうか。そんな中、うつに悩まされている方も増えています。

生涯を通じて、5人に1人がこころの病気にかかるとも言われています。しかし、現在の精神医療については少し疑問を感じています。うつの治療は内服治療と療養が中心ですが、それだけでは一時的に症状は軽減したとしても、再発予防の知識を身に着けなければ、再びうつが悪化したり繰り返してしまう可能性が高いのです。

薬だけに頼っていては、うつは良くならないことを私は実感しました。再発予防の知識については患者任せとなっているように感じます。

また、精神科医や心理職の方々は自身がうつを経験したことがない人がほとんどだと思います。うつの辛さは当事者になったことがなければ分からないのではないでしょうか。うつの人の本当の苦しみが理解できるでしょうか。精神科医や心理職の方々を否定する訳ではありません。もちろんリスペクトしています。しかし、実際にうつにならないと分からない事、語れない言葉があると思っています。

私は試行錯誤をしながらうつから回復し、再発予防もできるようになりました。その経験から学んだことをみなさんにお伝えしたい。

少しでも早くうつから回復し、再発予防の知識や技術を身に着け、自分らしく幸せな社会生活を送ることができるようになって頂きたいと思っています。

「常に穏やかな気持ちで、自分らしく幸せな社会生活が送れるようになること。」

それが私の考えるうつの克服です。うつ病のうつ症状、双極症によるうつ症状への対策はほとんど変わらないと考えています。薬ですべて解決できる訳ではありません。薬で解決できないことの方が多いのではないかと思います。生活を整えること、環境を調整すること、考え方を修正すること、自分に合った生き方を見つけることなど。

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