歌うキネマ『ホタル』
~戦争に運命を翻弄された夫婦の物語~

趙 博 ちょうばく

在日韓国人二世シンガーソングライター

提供する価値・伝えたい事

一本の映画を一人で演じ・歌い・語る・・・それが『歌うキネマ』です。故・マルセ太郎に薫陶を受け、マルセの“一人芸”「スクリーンのない映画館」を受け継ぎました。
『ホタル』は、激動の昭和を生き抜いた特攻隊の生き残りである男と、その妻の人生を描く人間ドラマです。戦争によって、運命を翻弄された人々の心の痛みと悲劇を描いています。
    「戦争とは・・・、人間とは・・・、故郷とは・・・、そして幸せとは何か?」
一人一人感じることは違うはず。コトバ・ウタ・ミブリで、一人一人の心に問いかけます。

内 容

*ギターの弾き語りを交えて演じるステージです。

『ホタル』あらすじ
 
 舞台は、鹿児島県知覧。
 カンパチの養殖を生業としている山岡は、肝臓を患い透析を続けている妻・知子とふたり暮らし。子供がいない彼らは、漁船“とも丸"を我が子のように大切にしている。
 激動の昭和が終わり、平成の世が始まったある日、山岡の元に青森に暮らす藤枝が雪山で自殺したとの報せが届いた。山岡と藤枝は共に特攻隊の生き残りだった。
 
 それから暫く後、山岡はかつて特攻隊員に“知覧の母"と呼ばれていた富屋食堂の女主人・山本富子から、ある頼みを受ける。それは、体の自由が利かなくなった自分に代わって、南の海に散った金山少尉、本名、キム・ソンジェの遺品を、韓国の遺族に届けて欲しいというものだった。実は、金山は知子の初恋の相手で、結婚を約束した男でもあった。
 複雑な心境の山岡は、しかし知子の余命が長くて一年半だと宣告されたのを機に、ふたりで韓国へ渡ることを決意する。だが、金山の生家の人たちは、山岡夫妻の訪問を決して快く迎えてはくれなかった。それでも、山岡は遺族に金山の遺品を渡し、彼が残した遺言を伝えた・・・。

 戦争という激動の時代を生き抜いた夫婦を中心に、運命に翻弄された人々の心に残った傷を真正面から見つめた作品。特攻兵士たちの勇気と苦悩、それを見守った女たちの癒されることのない心の痛みに戦争の悲劇、空しさを浮き彫りにした感動作。

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