マネジメント研修とは、名前の通り管理職に対して行う研修のことです。よく無駄なのではないかとも言われますが、マネジメント研修はその目的と内容を知り、目標を的確に定めることで、十分な成果を得ることができます。
本記事では、マネジメント研修と目的、成功に導くためのポイントを解説します。
また、スタッフおすすめのマネジメント研修プランもご紹介します。

マネジメント研修とは

「マネジメント(management)」という英語にはもともと管理、経営、操縦などの意味があり、ビジネスの現場では経営や人材管理などの意味でよく使われています。
マネジメント研修とは、その名の通り、管理職や経営陣など、部下がいる役職にある社員に対して行われる研修で、経営戦略的に人材育成や人材配置が行えるような知識やスキルを身につけます。マネジメント研修では、部下の人材育成に関する内容の他、組織強化や組織の生産性の向上に関する内容も扱います。

マネジメント研修の目的

マネジメント研修の目的は、人材育成を含むマネジメントに関する知識やスキルを十分に備えた、優秀な管理職の育成です。ここで言う「優秀な管理職」とは、優秀なプレイヤーということではなく、部下を管理・育成することができ、組織として体制を強化していけるとともに、売上や業績の面でも会社に貢献できる人材のことを指します。つまり、部下に対する管理・監督責任と、業績に対する成果責任の双方を満たすことができる人物を育てることが、マネジメント研修の目的といえます。

マネジメント研修の対象者

マネジメント研修は部下を持つ管理職に対して行われます。
特に、新しく管理職についた社員に対して、個々のプレイヤーからマネージャーとしての意識を変容させるためにもマネジメント研修は重要となってきます。
また、すでに管理職である立場の社員に対しても、より一層、組織を強化し、企業を成長させる上でも振り返るためのマネジメント研修が必要となってくるでしょう。

マネジメント研修の必要性

ここからは、マネジメント研修が必要とされる背景や理由を紹介します。

少子高齢化による人手不足

少子高齢化による人手不足により、管理職にはより高度なマネジメントスキルが求められるようになりました。日本の人口は単純に減少しているわけではなく、若年人口が減少し、高齢者層が増加しています。すなわち、生産年齢人口の減少が大きな社会問題となっているのです。

このため、企業は働く人材を確保するため、子育てが終わった女性やシニア人材、グローバル人材など、多種多様な人材を採用する必要が出てきました。すると当然、こうした多種多様な人材を適切に管理し、育成できる、そして最終的に業績に貢献させられるマネジメント職も必要ということになります。管理職に求められるマネジメント能力は、従来よりもずっと高度化・複雑化しているのです。

管理職としての自覚を持つ

マネジメント研修は、管理職としての自覚を促す場にもなります。特に新任マネージャーの場合、働くオフィスも仲間も変わらないと、ついつい以前と同じ立場でメンバーに接してしまいがちです。マネジメント研修を通じ、管理職としての心構えを学ぶことで、自らがどのように振る舞えば良いかがわかってくるでしょう。

また、当然ながら管理職になったからといってすぐにスキルまでついてくるわけではありません。単なるプレイヤーとしてではなく、部下を持ち管理・育成していくためのマネジメントスキルを向上させるための研修が必要なのです。
マネジメント研修では、「管理職は自分だけでなく部下の行動に対しても責任を持たなくてはならない」という意識を啓発するような内容にするとよいでしょう。

チームの業績最大化

管理職がスキルアップすることで、チームとしての成果を最大化することにもつながります。最初にご紹介したように、管理職は部下の管理・育成を行うのはもちろんですが、最終的には組織を率いて会社の業績に貢献できるようにならなければなりません。
管理職には一般社員とは異なり、より経営者的な観点に立った視点が求められる、とも言い換えられるでしょう。優秀なプレイヤーを優秀な組織統括者にするためにも、マネジメント研修が必要なのです。

マネジメント研修を受けるメリット

では、マネジメント研修を受けることでどんなメリットが考えられるのでしょうか。ここでは、3つのメリットについてご紹介します。

1.離職率低下、定着率向上

マネジメント研修を受けることで、時代に即したマネジメントが行え、部下の離職率を減らし、定着率をアップできることが期待できます。必要性の項目でも少し触れましたが、働く人材はこれまでよりいっそう多様化し、働き方やモチベーションも変わってきます。そのため、従来のトップダウン型の指示系統だけではなく、状況に応じてメンバーとコミュニケーションをとり、メンバーを束ねたり個人個人の動機付けを行うためのマネジメントが求められるのです。

2.管理職としてのスキルアップ

マネジメント研修を受けることで、管理職としてのスキルを身につけられます。現代のマネジメント職の多くは、自分の仕事も行いながら、部下やチームの目標を達成するための管理やフォローを行うプレイングマネージャーです。このように限られた時間の中でマネジメントを行うためには、マネジメント研修を通じて効率的にスキルアップする必要があります。

マネジメント職に求められる具体的なスキルとしては、以下のようなものがあります。

  • 戦略や役割の情報を提供する
  • 行動の基準を示したり、人事評価につなげたりする
  • 意思決定を行う
  • メンバーの役割を決める
  • 進捗状況を取りまとめる
  • 人材を開発し、業務を支援する
  • 部下のモチベーションを高める

3.チームの連携が高まる

マネジメント職が十分なスキルを発揮することで、チームとしての連携が強まります。前章でご紹介したように、メンバーの役割を決めたり進捗状況を取りまとめたりすれば、メンバーはチーム内での自分のポジションを正しく把握することができます。
また、多様な人材が一つの目的に向かっていくための行動の基準を決めたり、意思決定を行ったりすることは、メンバー全員が向かうべき道筋の指標になり、安心感やそのためにどうすれば良いかを考えやすくなるでしょう。

マネジメント研修で失敗しないために

では、マネジメント研修で失敗しないためにどうすれば良いのでしょうか。ここでは、3つのポイントについて解説します。

求める管理職像を明確化し、具体的な目標を立てる

マネジメントスキルと一口に言っても、求められるスキルはさまざまです。部下を育成するスキル、組織を形成したり強化したりするスキル、経営戦略に関するスキルなど、自社やチームに必要な管理職像を明確にし、受講前に具体的な目標を立て、学びの効率アップをはかりましょう。

自社の経営戦略から、現場の管理職に足りないスキルを考え、足りないスキルを補うようなマネジメント研修を受けるようにしましょう。また、研修を受けた後、いつまでにどのようなことができるようにしたいのか、研修を計画している段階で具体的に目標を立て、研修を受けた管理職がその都度、どのくらい目標に近づけたか振り返れるようにするのも大切です。

時間が経ってから振り返った際、進捗や達成度がわかるような指標を参加者それぞれが立てておけると、学んだことをしっかり業務に活かせるでしょう。

管理職だけの問題にしない

マネジメント研修は、管理職の研修です。新人社員研修などとは異なり、マネジメント研修によって変容に巻き込まれる人は多く、部下はもちろん上司も含め、さまざまな階層を巻き込んだ変化を起こす必要があります。マネジメント研修が無駄だと言われがちなことの一つに、現場に戻ると変化できない、というものがありますが、まさにこのことを指しています。マネジメント研修後は、上司にも部下にも管理職の変化を妨げない、受け入れるといった変容プロセスの理解が必要です。

アウトプットしていく

どんな研修でも同じですが、研修をやりっぱなしにしたり、受けただけで満足したりしないことが重要です。受講生に、受講後、学んだ内容をどう活かしていくか、効果測定のためレポートなどを提出してもらったりすると良いでしょう。研修後は学んだ内容を社内で積極的にアウトプットし、一定期間後に学んだことを評価するなどがおすすめです。

研修が終わってからどのようなフォローアップが必要なのか、レポートやプレゼンの提出、アンケート実施など内容を振り返るステップを研修計画の段階で組み込んでおくのもおすすめです。また、フォローアップ研修として、半年後や1年後にもう一度マネジメント研修を受けさせ、知識の定着をはかるとよいでしょう。

おすすめのマネジメント研修6選

ここでは、弊社の数あるマネジメント研修プランの中でも、「しっかりとスキルを定着できた」「次世代リーダーの育成で成果が出た」など研修担当者にご好評いただいた研修プランを6つご紹介します。


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小森康充

営業力強化コンサルタント 元 P&Gアジアパシフィック最優秀マネージャー

強い組織力の構築のために
~マネジメントの5つのステップ~

売上を増大させる強い組織力を構築するには明確なステップがあります。そのステップを習得し、愚直に実践すること。それが強い組織力を構築し長期的に会社を繁栄させるポイントです。本研修では、それを講義、講師の実践例、ワークショップでの振り返りを通して学んでいきます。


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齊藤正明

マグロ船式 人材コンサルタント

日本一のマグロ船の船長に学ぶ!
マネジメントとリーダーシップの極意

40日間社会と隔絶された洋上で、最高の漁獲量を求められる「マグロ船」。そんな過酷な環境にありながら日本一売上を稼いだマグロ船船長から学んだマネジメント術を、ワークを通して実践的に学んでいきます。部下をやる気にさせ、叱咤激励しながら部下の成長を促す方法をわかりやすく解説します。


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高村幸治

株式会社エナジーソース 代表取締役 モチベーションコンサルタント  組織育成パートナー

結果を出し続ける組織のマネジメント~問題思考から解決志向の時代へ~

「PDCAサイクルが機能していない」「従来の管理手法では手詰まり感がある」と感じる管理職の方々に向けて、これまでの「原因追求型」から解決にフォーカスにあて、部下への成長を促す「解決志向型」に変えるための方法を伝授します。


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竹内慎也

営業組織コンサルタント

納得感と一体感で一致団結し目標連続達成する マネジメントセミナー

コーチング、リーダーシップ、コミットメントの方法、目標設定から達成法など、マネジメントに必要なさまざまなスキルを、どのように現場で活かしていくのかをわかりやすく解説します。組織全体が活性する方法も実践的にお教えします。


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村瀬 健

放送作家 漫才作家

テレビの世界で学んだ
強い組織を産み出す人材育成術

組織の成否は、上に立つ人間の立ち振る舞いひとつで変わってきます。「俺についてこい」ではなくて「ともにやっていこう」。誰からも慕われるお笑い芸人の実例を挙げながら、高いコミュニケーション能力を駆使した、芸人式リーダーシップ術をご紹介いたします。


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山本幸美

株式会社プラウド代表取締役社長 営業力強化コンサルタント 女性リーダー育成コンサルタント マネジメント力強化コンサルタント

ニューノーマル時代に活躍する女性リーダーになる!8つの法則

ニューノーマル時代において、女性活躍推進は企業の生き残りをかけた経営戦略です。新時代に適応する女性リーダーを育成するために、女性管理職に求められるリーダー像やキャリアを生かせる仕組みづくり、心理的安全性を高めるノウハウなど、女性活躍推進のプロがわかりやすく解説します。


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