不適切な接客がクレーマーを増殖させる!
~元・百貨店クレーム対応責任者が伝授するクレーム対処法~

川合健三 かわいけんぞう

クレーム対応コンサルタント

提供する価値・伝えたい事

お客様対応で重要なことの一つは「お客様の心理を掴み」、「お客様の声を的確に聴く姿勢を持つ」ことです。しかし、昨今、常識外のお客様の声が増える中、適切な対応が出来ずに戸惑う人が多いです。その結果、お客様の声を表面的にしか理解出来ず、要望をクレームへと発展させてしまっているケースもまた非常に多いです。
「クレームなんて怖くない!」と言えるくらいに適切に対応出来るようになるには、まずはクレームそのものを十分に理解することが最も重要なことです。
講演では、百貨店に寄せられる多種多様なクレーム事例を基に、小売業や個人経営の商店など接客に従事する方へ向け、実践的クレーム対処法を伝授します。

内 容

1.<社会環境の変化>  
(1)消費者問題の観点から
(2)最近のニュース事例
   (食品問題・環境問題・振り込め詐欺・カード偽造)
(3)三波春男「お客様は神様です。」
(4)企業 対 個人 ⇒ 力の差
(5)消費者は 法律・行政で保護
(6)消費者意識の変化
    ○モノを言う・モノを知っている消費者
    ○言うのが当然だ、ダメもと
    ○事例・・・禁煙・ペット・ベビーカー専用EV
(7)社会環境問題・その他

2.<消費者と企業の関係> 
(1)昔の企業は強かった
    ○従来の対応ではダメ
    ○企業の対応 ⇒ 死活問題

3.<現在の企業の立場>
(1)消費者は強く護られている
    ○トラブル発生 ⇒ 従来の対応ではダメ
(2)表面的な理解・対応が散見
(3)従業員への徹底
(4)消費者自身も理解していない場合も

4.<何故、消費者の声なのか?> 
(1)法律は最低限のルール
(2)顧客の声を 維持コストと見るか?投資と見るか?
(3)勿論、投資です。
    1.情報
    2.品質改良
    3.初期消火
    4.信頼強化
     お客様は不安げにクレーム
      ⇒適切な対応
      ⇒信用につながる
     消費者の声は顧客対応担当者だけに発せられるのではない

5.<お客様と販売店の関係>
(1)神話は生きている,
    ○「お客様は神様です」はどっこい生きている。
    ○「お客様」は絶対的なもの。
(2)商いとは?
     フランスのバッグメーカー
     3回満足して初めて満足と言える。
     コネチカット州のスチュー・レナードの石碑

6.<お客様とクレーマーとの違い>
(1)お客様は正しい
(2)「すれ違い顧客」とは
    (掛け紙の間違い・商品知識不足・アレルギー)
    お客様の 「痛み」 を理解できない従業員
    お客様の本意・真意を探る。

7.<クレームの特徴>

8.<クレームはお客様からの贈物> 
(1)表に出ない・ださない その理由
(2)クレーム“ゼロ”運動のむなしさ
    ○クレーム“ゼロ”などありえない。
    ○クレーム“ゼロ”は顧客から見放されている。
    ○クレーム“ゼロ”運動のむなしさ
(3)トップが認識することは?
    ○クレームは絶対 発生する。
    ○クレーム対応者を怒らない。
    ○ゼロ は危険な兆候
    ○従業員に徹底
(4)☆☆図表11☆☆ 説明 (後半部分)

9.<百貨店のクレームの実態>
(1)「お客様の声」の内訳
    ○管理監督者は褒めるのが 苦手
(2)「クレーム内容」の内訳
    ○商品関連 
    (腐っていた・味が変・髪の毛混入・縮んだ・色が移った)
    ○接客
    (おしゃべり・いやな顔された渡し方が乱暴)
    ⇒百貨店の宿命  事前期待
(3)メールが増えている。
    ○問合せ(事例)

10.<顧客対応部門・対応者の位置付け>
    ○顧客対応部門の役割をどう考えているのか?
      受けのみか顧客との渉外か 
      担当部門とのジョイントか   

11.<対応者に求められる資質・能力
    ○5つの得意技  
    ○守りのポジション ⇒ 攻め

12. <百貨店のお客様相談室の業務の流れ>
    ○お客様との対応が終了すれば完了ではない。
    ○情報の分析・公開 ⇒ CS会議へ

13. <CS会議とは(百貨店の場合)>
(1)マネジメントサイクルの稼動 ⇒ 従業員の評価・査定
(2)従来 ⇒ これから
    ○店の行動目標・部門の行動目標
    ○お客様の声を「戦略的」に活用

14. <『クレーム大歓迎』>
(1)組織のトップと従業員への啓蒙活動
(2)大歓迎 を言い続ける。
    ○クレーム発生 ⇒ 大きなチャンス
             信用度アップ(店・会社)
    ○マイナス評価 ⇒ プラス評価

根拠・関連する活動歴

長年に亘り、百貨店の消費者対応部門に従事。接客・販売業務の傍ら、現場で生じる様々なクレームの処理・対応を行う。また、企業内教育担当者として、従業員のクレーム対応能力向上にも尽力。消費生活アドバイザーや繊維製品品質管理士の資格も有し、理論と実践を融合させた解り易い指導が好評。

スタッフからのコメント

一口にクレームといっても多様なケースがあります。
自社の対応ミスで正当なクレームもあれば、悪質なモンスタークレーマーのようなケースもあります。
まずはクレームを体系的に理解して、組織として適切な対応をすることが重要です。

川合さんの研修では、「クレーム対応の“誤解”・“錯覚”・“勘違い”」「クレームの基本を体系的に知る」ことから始まり、「クレーム対応の「基本」を心理的な側面からアプローチ」や「クレームの初期対応」等、具体的な対応法まで盛りだくさんでした。
対応策と並行して、随所に百貨店時代の具体的な事例が出るので興味津々です。
最後に、クレーム対応には「企業・組織全体が『同じ意識で!』『同じ行動で!』を共有化」することの大切さを伝え、受講者も深くうなづいていました。
(人材育成講演・研修担当 安宅:記)

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