支える側が支えられるとき
~認知症の母が教えてくれたこと~

藤川幸之助 ふじかわこうのすけ

詩人・児童文学作家

想定する対象者

・一般の方
・医療、福祉関係の方
・小学校、中学生、高校生、大学生、専門学校生
・教職員、保護者 など

提供する価値・伝えたい事

母がアルツハイマー型認知症と診断されて22年がたちます。
認知症を患ってからの母の心の不安、忘却への恐怖、病気による混乱とそれを支えた家族の心の葛藤を通して、認知症という病気や介護についてお話しします。
認知症の母を介護する過程で、母を支えていたと思ってきた私が、実は母に精神的に支えられていたとこの頃深く感じるのです。そして、母は今ベッドに横たわり、ただそこにいるだけの存在ですが、母は未だに私を育ててくれているのです。
つまり、人はそこに存在するだけで大きな意味を持っていると思うのです。
その介護の日々を、詩の朗読を交えてお話しします。

内 容

<詩とお話(例)>
1.認知症の人を受け入れるということ
 ■詩の朗読 【手帳】
 ■おはなし
  ・受け入れるという行為
  ・アルツハイマーという病名
  ・人生を理解するということ

2.母に言葉があれば
 ■詩の朗読【静かな長い夜】
 ■おはなし
  ・母の側にいること
  ・理解しようとする行為
  ・痛みを自分のこととして感じる

3.母の心の中
 ■おはなし
  ・「母に言葉がなくて良かった」とこっそり思ったこと
  ・母の物語を否定した
  ・その時の母を受け入れなかった後悔

4.認知症の母への苛立ちを吐き出すこと
 ■詩の朗読【シュークリーム】
 ■おはなし
  ・ある読者の感想
  ・母への苛立ちや葛藤、戸惑いに蓋をせず、吐き出す
■詩の朗読【手の温かさ】

5.認知症の母と母への「まなざし」
  ・父と母の暮らし
 ■詩の朗読【花見】
 ■詩の朗読【約束】
  ・父の入院と死
 ■詩の朗読【旨いものを食べると】
 ■詩の朗読【祈る】
   ・熊本の母の元に通った日々
 ■詩の朗読【おむつ】
 ■詩の朗読【母からの手紙】
■詩の朗読【扉】
・長崎に連れてくる
■ 詩の朗読【におい】
  ・点としての死ではなく、死を内在している母と 一緒に「生きていく」
 
6.絆の結び直し
 ■詩の朗読【母の日記】
 ・もらった愛を少しずつ返す
 ■詩の朗読【こんな所】

7.支える側が支えられるとき
 ■おはなし
  ・ある赤ちゃんと若いお母さんの話
  ・今でも母に育てられているという感覚
  ・人を支えるということは、人に支えられること
 ■詩の朗読【バス停のイス】

スタッフからのコメント

作家でもあり、詩人でもある藤川氏の講演は、音楽と詩の朗読を使った講演です。

その詩は、お母様に寄り添っている藤川氏のその時の気持ちを克明に表したもので、聞いている皆様はその情景が脳裏に浮かんでくることだと思います。

一見大変そうに思えるお母様との関係ですが、その詩を聞いているとお母様との結びつきを感じることが出来、そこには親子の絆を感じることが出来るはずです。

また、ただその時の心情を聞いてもらうだけでなく、「同じ状況になった時、あなたはどうする?」と問いかけもしているのです。(石川有信)

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