ヤングケアラー
「家族を背負う」子どもたちの現状と課題

石川結貴 いしかわゆうき

ジャーナリスト

想定する対象者

保護者全般、教職員、民生児童委員、青少年健全育成の関わる方々、教育関係者

提供する価値・伝えたい事

病気や障害を持つ家族のために、家事や介護、見守りや付き添い、幼いきょうだいの世話などをする子ども・若者を「ヤングケアラー」と言います。
厚生労働省と文部科学省の実態調査(2021年)では、中学生の約17人に1人(5.7%)、高校生の約24人に1人(4.1%)が、「世話をしている家族がいる」と回答。1日のうち家事や介護などのケアに要する平均時間(平日)は、中学生で4時間、高校生で3.8時間に及んでいます。
一方で、こうした生活実態を「誰にも相談した経験がない」という中高校生は6割以上と、学齢期の子どもが支援に結びつかないまま、ひとりで家族を背負っている現状が浮かび上がります。
病気や障害を抱える保護者が就労できないと経済困窮に陥りやすく、場合によっては子どもが暴力・虐待被害を受けることもあります。「家族のケア」という負担のみならず、経済、身体、心理、社会的な問題が複合的に生じているケースも少なくありません。
私自身、二人の甥(実兄の息子)が、かつて「ヤングケアラー」でした。実兄は40代でALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を発症し、当時高校生だった甥たちが介護を担うことになったのです。
当事者の苦悩を身近に見てきた者として、また長年にわたり家族問題を取材してきたジャーナリストの立場からも「ヤングケアラー」の実態を報告し、今後の社会的課題や解決策について皆様とともに考えたいと思います。

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