「1on1ミーティングを導入したけれど、今一つ成果が上がっていない」と悩んでいる管理職の方も多いのではないでしょうか?

1on1ミーティングは本来、社員のモチベーション向上や離職率低下といった効果が期待できるものです。しかし面談をする上司の側に十分な知識やコミュニケーションスキルがない場合、部下が「時間の無駄だ」と不満を抱く可能性があります。

今回は1on1ミーティングを成功に導くための、1on1研修について解説します。

1on1とは何か

まず1on1ミーティングの概要を理解しておきましょう。

1on1、1on1ミーティングの意味

上司が部下の成長を促し、モチベーションを向上させることを目的として行う個人面談を、「1on1ミーティング」あるいは「1on1」と呼びます。仕事に関する話だけでなく、業務外の悩みなどにも耳を傾け、それに対してフィードバックします。

上司との個人面談というと、部下は人事考課や査定を行うための面談をイメージして身構えてしまうかもしれません。しかし1on1はあくまでも部下の成長のための時間です。「この場で話したことが評価につながるかも」というプレッシャーを与えず、安心して相談できる場を提供します。

1on1が今注目されている背景

コロナ禍の影響でテレワークが急速に普及した結果、社内コミュニケーションが希薄化した、という問題が浮き彫りになりました。1on1はその具体的な解決策として注目されています。

2022年1月、リクルートマネジメントソリューションズが実施した『1on1ミーティング導入の実態調査』によると、国内の従業員数3,000名以上の企業の「約75%」、700名~2,999名規模の企業の「約70%」で、すでに1on1が導入されており、大企業を中心に積極的に取り入れられていることが分かりました。

その一方で1on1を実施した結果47.2%の企業が今後の課題として「上司の面談スキルの不足」を挙げています

1on1ミーティングは時間の無駄? よくある失敗パターン

次に、1on1ミーティングの典型的な4つの失敗パターンを見ていきましょう。

(1) 業務に関する進捗確認や雑談に終始する

1つ目は、せっかくの1on1が、ただの業務上の確認や雑談で終わってしまうケースです。

上司が面談の目的を理解しないまま1on1に臨むと「あの案件はどうなってる?」というように、とりあえず業務の進捗確認などの話題を振ってしまい、部下も聞かれたことに答えるだけになってしまいます。また家庭や趣味の話などの雑談で盛り上がっても意味はありません。

(2) 上司が一方的にしゃべり続ける

2つ目は、上司が自分の言いたいことだけを言って、部下に自分の考えを話す機会を与えないケースです。

「この部分は良くできている」「ここはもっとこうしたほうが良い」と上司が一方的に評価や意見を押し付けてしまっては、部下の真意はくみ取れません。このような面談は上司が自己満足するだけの結果に終わり、部下の意識や行動の変容を促すことはできないでしょう。

(3) リスケジュールが頻発する

3つ目は、他の業務を優先するために1on1が後回しになり、リスケジュールが頻発するケースです。

1on1の時間を確実に確保するためには、上司と部下の双方が人材育成における1on1の重要性を理解しておかなくてはなりません。どちらかにそうした認識が薄いと、つい目先の業務を優先し、1on1が後回しになります。結果的に1on1ミーティングそのものへの意欲が低下してしまうでしょう。

(4) 前回の内容や今後の課題につながらない

最後は、前回の1on1の内容や今後の課題につながらない、場当たり的な1on1を繰り返すケースです。

1on1は前回話し合った課題を踏まえて振り返りをし、次回までの目標を決めることで部下の成長をサポートするものです。「この前何を話したっけ」「今日は何の話をすればいいのだろう」という状態で1on1をしても意味がありません。

1on1を核とした連続的なつながりを意識しないと、上司も部下も何のために回数を重ねるのかわからず、「無駄な時間だ」と感じてしまいます。

1on1研修はなぜ必要か 企業が達成すべき4つの目的

次に1on1研修を導入することで、企業が達成すべき4つの目的を解説します。

目的1.リーダーや管理職の面談力アップ

第一の目的は、リーダーや管理職に必要な面談スキルの向上です。

1on1では、部下が自由に考えを発信できる空気をつくり、その場で出てきた仕事や業務外の悩みなどに対して、成長につながるようなフィードバックをしなくてはなりません。そのためにはコーチングなどのスキルや論理的思考力が必要です。

また現在は1on1をオンラインで実施するケースも増えており、オンライン面談特有のスキルも求められます。

研修でそれらのスキルを身に付ければ、リーダーや管理職の人材マネジメント力が向上し、部下へのより良い指導や育成につなげることができます。

目的2.社員のモチベーション向上

第二の目的は、1on1の面談を受ける社員のモチベーション向上です。

研修によって上司側の1on1における指導力が向上すれば、部下は1on1をきっかけとして新たな課題・改善点を発見し、それを成長の足掛かりにできるようになります。さらに上司が部下の悩みに真剣に耳を傾け、日々の業務での様子をふまえて1on1で丁寧にフィードバックすることで、部下は「上司にちゃんと向き合ってもらっている」という喜びを感じるでしょう。

こうした一連の体験から、社員のモチベーションは向上します。そして部下にとってより良い業務パフォーマンスを引き出します。

目的3.上司と部下との信頼関係強化

第三の目的は、上司と部下との信頼関係強化です。

研修では、1on1の場においては「業務外の時間も含め、部下が今、何を考えているのかを知ろうとすることの大切さ」を学びます。この経験が上司にとって実際に部下に接するときの姿勢や態度の土台となるので、研修後には上司と部下との間の信頼関係の強化も期待できるでしょう。

目的4.中長期的な人材育成とキャリア開発

第四の目的は、中長期的な人材育成とキャリア開発です。

1on1では、部下に「どのようなキャリア志向を持っているか」も確認します。雑談や振り返りを通じて本人にとって仕事のやりがいとは何かを自覚してもらう手法や、それを伸ばすための問いかけ方を学び、部下が組織で活躍できるように手助けします。

1on1研修で獲得できる3つのスキル

1on1研修では具体的にどのような力が身に付くのでしょうか。ここでは代表的な3つのスキルを紹介します。

①傾聴スキル

傾聴スキルとは、相手の話を積極的に聞く力のことです。自分の考えを押し付けたり、相手の話をさえぎったりせず、まずは相手が言いたいことを受け止めるよう心がけます。

一般的に、管理職は部下に対して組織の方針を通達したり、業務指示をしたりといったシーンが多く、個別に部下からの声を聞く機会が乏しくなりがちです。「傾聴といってもどのようにしたらよいのかわからない」という人も少なくないでしょう。

傾聴の際にはただ黙って聞いていればいいわけではなく、相手と目を合わせたり、適度に質問したり共感を示したりして、相手に「悩みや弱さを隠さず、自分の考えをそのまま伝えてもいいのだ」と感じさせる空気をつくらなくてはなりません。

②コーチングスキル

コーチングは人材育成の手法の1つです。相手の中に眠る本音や能力を引き出すために、会話を構築して気づきを与え、主体的な行動を促します。

コーチングでは上司と部下という上下関係よりも、人間同士としての信頼関係が重要です。相手を受容・承認してその考えや姿勢に共感し、部下が目標達成に向けて自発的に動けるようサポートするプロセスを学びます。

上司自身が先入観や主観を排除し、好奇心を持って部下の心の奥に迫る技法を、ロールプレイやワークを通じて身に付けます。

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③ロジカルシンキング・課題解決思考スキル

ロジカルシンキングは物事の因果関係を明確に捉える力で、「Aという結果にするためにはBが必要」というように的確に課題を解決するためのスキルに通じます。

部下自身も、面談の時点で仕事のやりがいや悩みを明確に言語化できるわけではありません。1on1では上司が聞き役となり、部下の自由な話の流れの中から、キーとなる要素を見つけて適宜分類・整理したり、双方の理解に食い違いがないかを丁寧に確認したりします

そして最終的に「どうすればもっとやりがいを深められるか」「どうすれば目の前の課題を乗り越えられるか」という道筋を提示するための力が求められるのです。

SBおすすめの1on1研修プラン


当社でも多様な1on1研修をご用意しております。以下におすすめのプラン12選をご紹介します。


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泉谷史郎

キャリアコンサルタント
1on1ミーティング コンサルタント

「経営に一筋の光を」
1on1導入検討組織向けセミナー

主にマネージャーやリーダー層を対象とした、1on1の導入セミナー。講師自身が営業部長として1on1ミーティングを導入した経験に基づく、失敗談もふまえた「1on1で成果を上げるためのコツ」が学べます。


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大垣雅則 

元 株式会社パスモ 代表取締役社長
リーダー実践力育成「大垣塾」塾長
エグゼクティブコーチ

結果を出すリーダーの
「成功する1on1ミーテイングの始め方」

「自律型の人材が育たない」「チームに一体感がない」といった現状を変えるには、1on1ミーティングの実践が効果的です。リーダー実践力育成「大垣塾」の塾長を務める講師が、悩めるリーダーのために1on1ミーティングの導入方法を解説します。


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大橋高広

人材定着コンサルタント
職場リーダー育成コーチ

部下が成長して定着する1on1面談の技術

1on1に慣れていない管理職やリーダー層のための、面談スキルアップ講座。人材定着コンサルタントとして数多くの企業を支援してきた講師が、部下から本音を引き出す技術や、今の時代に適した褒め方・叱り方などを解説します。ワークも豊富で実践的スキルが身に付くプランです。


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岡崎茂和

株式会社彩り代表取締役
組織活性化コンサルタント
米国ギャラップ社認定ストレングスコーチ

部下の主体性を引き出す!1on1ミーティングセミナー

「1on1を導入してみたけれど、いざ面談が始まると部下と何を話していいかわからずに戸惑ってしまう」と悩む管理職やリーダーは大勢います。この研修プランではロールプレイを交えながら、傾聴や質問、コーチングなどの実践的スキルを習得できます。


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小澤 絢

ワークライフバランスコンサルタント

1on1 に必須?! 心理的安全性を高める方法

部下の心理的安全性を高めると、1on1に対する前向きな気持ちを引き出すことができます。「1on1を実施しても今一つ効果が実感できない」と悩んでいる管理職や、これから1on1を実践したいと考えているビジネスパーソンは、まず心理的安全性の重要性を学んでみてはいかがでしょうか。


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塩崎真士

女性社員マネジメントコンサルタント

年間100件の1on1を実施してきた元惣菜チェーンマネージャーが伝える!成果・効果が上がる女性社員との1on1の進め方

男性経営者や管理職にとって、女性社員と1on1で信頼関係を築くことは容易ではありません。女性比率95%以上の職場でマネジメントを経験してきた講師に、女性社員との1on1を成功に導く5つのステップなどを学べます。


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霜山倫子

コミュニケーショントレーナー

1on1のすすめ
~部下の本音や能力を引き出せるコミュニケーションスキル~

人を動かすにはロジックだけでなく、相手の主体性を引き出すコミュニケーションスキルが必要です。接遇&話し方アドバイザーの講師が、「承認」や「傾聴」といった具体的なテクニックを交えながら、1on1ミーティングで部下や後輩の力を引き出す方法を伝授します。


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本田賢広

株式会社セブンフォールド・ブリス代表取締役
国際コーチング連盟マスター認定コーチ(MCC)

1日30分!自律型人財を育てる
「1on1ミーティング」習得講座

企業組織のあらゆる階層向けにカスタマイズできる、1on1の研修プランです。自律型人材を育てる質問スキルや、素直な振り返りを促すフィードバックスキルなど、1on1を成功に導くテクニックを、演習を通して身に付けましょう。


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松井友香

株式会社Ring Link代表
心理コンサルタント
心理系コンテンツプロデューサー

心理的安全性を醸成させる1on1ミーティング研修

心理コンサルタントであり、心理系コンテンツプロデューサーでもある講師が、1on1ミーティングを通して部下と信頼関係を構築していく方法を解説します。「1on1ミーティングとは何か」という本質への問いかけに始まり、具体的な進め方、上司に必要なスキル習得までを徹底サポートします。


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山本一羊

組織変革コンサルタント
モチベートワーク総研(同) 代表
(株)エコロジーヘルスラボ 代表取締役

部下のモチベーションを高める 
1On1で役立つコミュニケーション術

1on1や部下とのコミュニケーションに苦手意識をもつ管理職向けに、組織変革コンサルタントである講師が効果的なアプローチの仕方と会話のコツを伝授します。事例としてTVドラマの1シーンを引用したり、体感型ワークを取り入れたりと、分かりやすいことで好評の研修プランです。


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横内浩樹

一般社団法人日本即興コメディ協会 副代表
株式会社システムフロンティア インプロファシリテーター

相手との対話を生み出す即応的なコメント返しを身に付ける~面談や1on1などで使える共感を生みだすコミュニケーション~

1on1などで使える共感を生みだすコミュニケーション~』

大手企業での研修など実績豊富な講師が、相手に共感を伝えて対話を生み出す、具体的なテクニックを解説します。ワークによって「参加者にまず体感してもらう」研修スタイルが特徴です。明日の1on1ミーティングからすぐに実践できるコミュニケーションスキルが身に付きます。


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吉田裕児

人と組織を咲かせる人財育成コンサルタント
組織改革コンサルタント

若手の離職防止に必要なリーダーのコミュニケーション術
~社員が成長し自立する1on1ミーティングスキルを身に付けよう!~

若手社員の自己有用感、成長実感を引き出す鍵は、リーダーのコミュケーション術にあります。この研修プランでは組織改革において1on1が果たす役割を徹底解説。そのうえで1on1ミーティングを通して、離職防止、生産性の向上などに取り組むための具体的な手法を紹介します。

1on1研修の効果を上げるポイント

最後に1on1研修の効果を高めるための、3つのポイントを紹介します。

1.社内の課題を把握し研修の実施目的を明確にする

まず1on1に関して社内が抱える課題を把握し、「何のために1on1研修を行うのか」を明確にしなくてはなりません。

「上司も部下も1on1に対して消極的」「上司によって1on1の成果にバラつきがある」「1on1が、上司が小言をいう時間になっている」といった課題から、上司の面談スキル向上や1on1の実施意義の確認などの目的を設定しましょう。

2.専門知識が豊富な外部講師に依頼する

次に1on1に関する専門知識を有した講師を選定しましょう。

1on1で必須となる傾聴などのコミュニケーション手法や心理的安全性に詳しいか、あるいは実際にマネジメント職として多くの部下を指導してきた実績があるかなどを、経歴から確認します。

3.模擬面談などの実践プログラムを取り入れる

最後に、研修のカリキュラムを組むときには模擬面談など実践的プログラムを取り入れることを意識しましょう。

「仕事にやりがいを見出せず悩む部下をどのように支援するか」というテーマのロールプレイングなど、実際の1on1を想定して取り組むことで、受講者は研修後すぐに実践できるスキルが身に付きます。

1on1で社員のモチベーション向上や上司・部下の信頼関係強化といった成果を上げるには、まず上司が1on1の意義を理解し、傾聴やコーチングなどの面談スキルを身に付けなくてはなりません。当社では実績豊富な講師による1on1研修プランを多数ご用意していますので、研修ご担当者様はぜひお気軽にご相談ください!


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