「消極的な姿勢の社員が多く、新しいアイデアや意見が上がってこない」というお悩みはないでしょうか?
その原因は、組織の心理的安全性の低さにあるのかもしれません。

今回は、国内外の企業で注目が高まっている「心理的安全性」の研修について、導入すべき根拠やその効果を解説します。

さらに弊社おすすめの心理的安全性研修プラン12選もご紹介しています。社内研修のご担当者様はぜひ参考にしてください。

心理的安全性とは

まずは心理的安全性とは何かについて理解しておきましょう。

心理的安全性の意味

「心理的安全性」とは「チームの中の誰もが安心して発言・行動できる心の状態」を指します。逆にいうと「発言や行動によって、他の人から拒絶される怖れがある状態」のことを、心理的安全性が「低い」もしくは「乏しい」などと表現します。

心理的安全性の概念は、1999年にハーバード大学ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン氏の論文の中で提唱されました。その後「さまざまな質問やアイデアが出る、イノベーションが起きやすいチームづくり」の鍵として、経営者や管理職を中心にこの心理学用語に注目が集まっています。

心理的安全性の乏しい職場にある4つの不安

エドモンドソン氏は「職場の心理的安全性が低下しているときに個人が抱く不安」として、以下の4つを挙げています。

  1. 無知だ」と思われること
  2. 無能だ」と思われること
  3. 邪魔だ」と思われること
  4. ネガティブだ」と思われること

社員が「無知だ」と思われないように質問しなかったり、「無能だ」と思われないようにミスを隠蔽したりするのが、心理的安全性の低い職場の特徴です。あるいは失敗を恐れて、挑戦すらしない社員もいます。

また「議論や業務の邪魔になるかもしれない」と考えてしまう社員は、発言や行動を控えます。さらに「うまく続いている事業に水を差すべきではない」などと考えて、指摘すべき問題点を見過ごしてしまうケースもあるのです。

そうした雰囲気が放置されると、最悪の場合、企業不祥事の形で明るみになります。例えば2000年には、自動車メーカーのリコール隠しが発覚しました。長年続いた隠蔽が内部告発によって発覚したことで、問題点を指摘できない空気が組織内にまん延していたことがうかがえる事例です。

「心理的安全性=ぬるい職場」は誤解

「何でも言える職場=メンバーが友達同士のように仲が良い組織」と考える人がいますが、その2つはまったく別のものです。

単に仲が良いだけのぬるい職場では、社員同士のなれ合いが常態化している場合もあります。こうした職場では、互いのミスや間違いを指摘しません。

対して心理的安全性の高い職場では、「相手と異なる意見を言っても否定されない」という安心感があるため、指摘や反対意見もむしろ積極的に出せるようになります。

対立を避けて居心地の良い環境を維持するのではなく、共通の目標達成というゴールに向けて、意見が対立しても揺らぐことのない信頼関係を築くのが、心理的安全性の高い職場といえるでしょう。

心理的安全性研修を導入すべき3つの根拠

心理的安全性の考え方は、研修によって組織に浸透させることができます。ここでは心理的安全性研修を導入すべき根拠を3つ解説します。

①Googleの調査結果:心理的安全性のあるチームは生産性も高い

心理的安全性が現在のように注目されるようになったきっかけの1つは、Google社が2016年に発表した、チームの生産性に関する研究結果です。

Google社では2012年から生産性向上計画に取り組み、「どのようなチームが生産性が高いのか」を分析しました。その結果、生産性を向上させるための最重要因子に心理的安全性を挙げています。心理的安全性はメンバー同士の協力関係を強め、結果として個人の能力よりもチームの生産性に影響を与えることが判明したのです。

②若手社員の心理的安全性調査結果: 心理的安全性が高いチームほど若手が成長を実感

コンサルティング会社のタバネルは、全国の「部下を持たない20-34歳の正社員」500人を対象に心理的安全性調査を実施し、2022年にその結果を発表しました。

それによると「あなたのチームにいると成長できるか」という問いに「できる」と答えた割合は、「心理的安全性が高い」と回答したグループで88%だったのに対し、「心理的安全性が低い」と回答したグループでは37%に留まっています。

③経営者への「心理的安全性」に関する意識調査: 導入企業は売上にも好影響と評価

一方、調査・コンサルティングを手がけるカルチャリアは、2021年に経営者に対して心理的安全性に関する意識調査を実施しています。

それによると「心理的安全性を高める施策で売上/生産性向上につながったと思いますか」という問いに対し、対象者109名のうち84.7%の経営者が「かなりそう思う」あるいは「ややそう思う」と回答しました。

心理的安全性研修で企業が得られる効果

次に、心理的安全性研修で企業が得られる4つの効果を紹介します。

業務改善の推進・イノベーション創出

1つ目の効果は業務改善の推進と、イノベーションの創出です。

心理的安全性が高い職場では、現在の業務の問題点を、誰もが気軽に指摘できます。そのため心理的安全性研修は業務改善の推進力となるのです。

また心理的安全性研修を実施することで、誰もが自由に自分の考えを発信できるようになります。多様なバックグラウンドをもつメンバーがそれぞれ意見を出し合うことで、新しい発見があり、イノベーションが生まれやすくなるでしょう。

社員の挑戦と成長の促進

2つ目は、社員の挑戦を後押しし、成長を促進できることです。

心理的安全性とは、失敗を怖れない状態でもあります。すなわち心理的安全性が高い職場とは、たとえ誰かが失敗しても、それを責めたり、評価を下げたりしない組織のことです。現場社員にとっては、挑戦する姿勢自体を肯定的に受け止めてもらえ、より成長しやすい環境であるともいえます。

また失敗事例の蓄積がチーム内での学習を促進する点も、心理的安全性のメリットです。失敗を恐れたり隠したりする風土では、そうしたサイクルも生まれません。失敗を共有し原因や対策をメンバーと冷静に話し合えば、確実な改善へとつなげることができるでしょう。

ミスや不正の早期把握

3つ目は、ミスや不正の早期把握です。

心理的安全性の低い職場では、社員が他者のミスや不正に気づいても、自分の指摘がチームや事業にとって「邪魔」あるいは「ネガティブ」なものと受け取られることを嫌がります。間違いを指摘されない現場では緊張感がなくなり、ますますミスや不正への違和感や抵抗感が薄れるという悪循環に陥るのです。

心理的安全性研修を実施すれば、このようななれ合いを払拭できます。心理的安全性への意識を高めた受講者は、ミスや不正に対してすぐに声を上げることの意義を再確認するでしょう。その結果、早期に問題改善が可能な組織に変化します。

ストレス軽減・離職率の低下

最後の効果として、社員のストレス軽減と離職率低下が挙げられます。

職場の心理的安全性が高まれば、社員は「無知」「無能」「邪魔」「ネガティブ」と思われるという4つの不安から解放されます。相手への忖度から「それは間違っている」と指摘できない葛藤もなくなり、ストレスが軽減されます。

ストレスが減ると業務に集中できるようになり、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。仕事へのモチベーションが高まったとき、もっとチームや組織に貢献したいという意識も芽生えます。結果的に企業全体の離職率低下が期待できます。

心理的安全性研修で学べる内容の一例

心理的安全性研修では具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか?ここでは研修内容の一例を紹介します。

1.心理的安全性についての正しい知識

研修の始めに「心理的安全性とは何か」という概論について学ぶのが一般的です。

心理的安全性の心理学用語の定義や生産性向上との関連性を、おもに講義形式で学びます。さらにエドモンドソン氏が指摘する、心理的安全性が低い場合に現れる4つの不安について知り、その重要性を理解します。

2.心理的安全性の有無による行動の差

心理的安全性の大切さを知るため、心理的安全性が「あるチーム」と「ないチーム」とで、メンバーの行動にどのような差が生じるかを学びます。

このテーマの学習には、ワークなどの実践的プログラムも効果的です。心理的安全性が高いチームでは誰もが意見を発言する一方、心理的安全性が低いチームでは一部の決まった人しか発言しないことなどを、ディスカッションなどを通じ受講者自身が体感します。

3.チームの心理的安全性の測り方

研修では、実際にチームの心理的安全性がどのレベルにあるか測定する方法も学びます。

エドモンドソン氏は、それを測定する手段として以下の7つの質問を挙げています。

  1. チームの中でミスをすると、たいてい非難される
  2. チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える
  3. チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある
  4. チームに対してリスクのある行動をしても安全である
  5. チームのほかのメンバーに助けを求めることは難しい
  6. チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない
  7. チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、生かされていると感じる
    (参考:Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

これを「当てはまる」から「当てはまらない」までの5段階で評価し、チームの心理的安全性を定量的に測定します。赤文字の質問はネガティブな内容であるためポイントが低いほど良く、逆に青文字はポジティブな内容であるためポイントが高いほど良い状態であると言えます。この結果からチームの問題点を洗い出すことも可能です。

4.心理的安全性を高めるのに役立つ手法

研修では心理的安全性を高めるための具体的な手法も紹介されます。

例えば、ミーティングの冒頭で場を和ませるような話題を提示する「アイスブレイク」などです。ほかにはミーティングですべてのメンバーが平等に発言の機会を持てるようにしたり、自分からなかなか考えや悩みを発信できないメンバーに対しては、1on1面談でフォローしたりするのもよいでしょう。

また「自分の存在が受け入れられている」という安心感を得るための「ピアボーナス」という方法も有効です。これは、他のメンバーからの感謝の気持ちをメッセージカードなどで伝える方法です。

5.ゲーム形式で学ぶプログラム

受講者がゲームを通して心理的安全性の重要性を学ぶ、体感型プログラムもあります。

例えばGoogle社が導入している「ベストチーム」というカードゲームには、カードごとに「業績ポイント」と「関係性ポイント」が設定されています。必要なカードを集めるゲームで、どちらか一方の得点だけが高くても勝つことができません。

「仕事の業績とメンバー間の関係性を両立させて勝つことを目指し、心理的安全性への理解を深めます。

6.管理職向け:心理的安全性の高いチーム作り

管理職向けに特化した、心理的安全性の高いチーム作りを学ぶ研修プランもあります。

メンバーへの接し方だけでなく、自分自身の感情のコントロール、効果的な人員配置や情報共有の方法など、学ぶ内容は多岐にわたります。

そのうえで「心理的安全性の高い状態を引き出すにはどのようにミーティングを運営すればよいか」「チームの心理的安全性を低くする言動を示す部下にどう対処するか」といったケーススタディから、リーダーとして取り組むべきことを学んでいきます。

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SBおすすめ心理的安全性研修プラン

最後に、当社おすすめの心理的安全性研修プラン12選をご紹介します。


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あつたゆか

株式会社すきだよ代表取締役社長

心理的安全性のある職場づくり

職場の心理的安全性の取り組みにおいては、単なるぬるま湯組織にしないための工夫が必要です。長年家庭や職場におけるコミュニケーションを支援してきた講師が、生産性と心理的安全性との両方が高い職場づくりの秘訣を解説します。


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今蔵ゆかり

仕事効率改善コンサルタント
人材育成・上機嫌コーチ

上機嫌力アップ!
~職場のストレス解消 心理的安全性のための“上機嫌力”

心理的安全性の高い職場を実現するためには、一人ひとりの「上機嫌力」が鍵になります。講師は仕事効率改善コンサルタント兼人材育成・上機嫌コーチとして、多数の企業コンサルティングを手がけています。このプランでは、関係者全員が上機嫌になる職場づくりのポイントを学べます。


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岩嵜 薫

株式会社ジェフコーポレーション
組織開発事業部 特別顧問

心理的安全性を満たした機能する組織づくりとは
~自律的に問題を発見、改善し、課題へ挑戦するチームへ~

個々の能力だけでなく、組織として成果を上げられるチームづくりには、心理的安全性が欠かせません。主に管理職や経営者を対象として、チームのメンバーに「自分の発言や存在が受け入れられている」と感じさせるリーダーシップのコツを伝えます。


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田中和義

一般社団法人日本能率協会JMAマネジメントスクール専任講師

【リーダー向け】チームの心理的安全性を高めるコミュニケーション術

管理職やリーダー層を対象とした心理的安全性研修プランです。人材採用・育成エグゼクティブコンサルタントとして活躍する講師に、心理的安全性を実現するためのリーダーシップについて、具体的なテクニックを学びます。


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玉居子高敏

女性が多い職場心理的安全性コンサルタント
心理的安全性ラボ代表

女性が活躍する職場の心理的安全性のつくり方

女性が活躍するための職場の土台としても、心理的安全性がポイントの1つになります。「女性が多い職場を対象とした心理的安全性コンサルタント」として数多くの企業を支援してきた講師が、女性が安心して活躍できる組織づくりの秘訣を伝授します。


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永池明日香

株式会社東レ経営研究所 DE&I共創部コンサルタント

心理的安全性の高い職場づくり
~強いチームの条件~

東レ経営研究所・DE&I共創部のコンサルタントである講師が、心理的安全性の高い職場づくりについて解説。心理的安全性の概要や注目される背景、心理的安全性を高めるポイントなどを伝えます。講義だけでなくワークの時間も取り入れた、充実のプランです。


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中村成博

株式会社Gentle 代表取締役
防災士/防災アトラクション ファシリテーター

心理的安全性の高い職場づくりに必要なこと

人が辞めない職場づくりで大切なのは、心理的安全性の向上です。この研修プランでは、コミュニケーションや人材育成など、さまざまな観点から心理的安全性を高めるポイントを習得します。講義だけでなくワークや動画も取り入れられており、最後まで集中して学ぶことができます。


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新田 龍

働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役

「心理的安全性」の高めかた
~組織を変える対話術とマネジメント法~

ケーススタディによって「適切な声かけ」や「指摘の方法」などの実践的な内容も学べる研修プランです。①心理的安全性の重要性、②実現のためのリーダーシップ、③メンバーのやる気とエンゲージメントを高めるコミュニケーション、という3部構成で、組織変革のための手法を身に付けられます。


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ピョートル・フェリクス・グジバチ

プロノイア・グループ株式会社 代表取締役

リーダーとして、パフォーマンスを上げる~心理的安全、信頼関係の築き方~

Googleやモルガン・スタンレーなど、グローバル企業で人材育成を手がけた実績のある講師が、チームのパフォーマンスを上げるための心理的安全性について解説。社員一人ひとりがリーダーシップを発揮する企業風土や、それを実現するマネジメントについて学ぶことができます。


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南城ひかり

元タカラジェンヌ
コミュニケーションコンサルタント

元タカラジェンヌに学ぶ“心理的安全性を高めるコミュニケーション術”

元タカラジェンヌでコミュニケーションコンサルタントとして活躍する講師に学ぶ、心理的安全性を高めるコミュニケーション術。「魅せる話し方」「人に好かれる聞き方」など、タカラジェンヌならではの会話スキルから、心理的安全性向上の秘訣を紐解いていきます。


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安田伸也

うつ専門メンタルコーチ
元 海上保安官・潜水士

心理的安全性を創るコミュニケーション
~居心地の良い職場環境とその作り方~

誰もが居心地のよい職場環境をつくるには、心理的安全性を高めるコミュニケーションが求められます。うつ専門メンタルコーチとして活躍する講師が、非言語コミュニケーションや笑顔の重要性について解説し、チームに安心を生むコミュニケーション方法を伝えます。


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山崎清治

NPO法人生涯学習サポート兵庫 理事長
無人島学校 校長

【チームの心理的安全性の高め方】
“人がイキイキと成果を出す組織”がやっていること

若者の能力開発や、チームビルディングの観点からも重要視されている心理的安全性。さまざまな社会教育プログラムをプロデュースしてきた実績のある講師から、メンバーの成長と主体的な行動を促す心理的安全性の高め方を学びます。

心理的安全性研修で、チーム力アップ

生産性向上や離職防止の観点でも、心理的安全性への関心が高まっています。心理的安全性研修を実施し、身に付けたスキルをチームづくりに活かせれば、社員の成長を促進するだけでなく、組織全体の生産性や売上アップなども期待できます。

弊社では実績豊富な講師による、さまざまな心理的安全性研修プランをご用意しております。次回の社内研修テーマをお探しのご担当者様は、ぜひ選択肢の一つとしてご検討ください!


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