大人も子どもも楽しめる夢の国として人気の、東京ディズニーランド。ゲストを夢中にさせるテーマパークの運営を支えているのは、ほとんどアルバイトで構成される現場のスタッフ達です。
スタッフ募集には倍率が高く、定着率も高いディズニーランド。その教育制度に多くの経営者が注目しています。

本記事では、ディズニーの教育制度と研修の魅力について解説。さらに記事後半では、当社おすすめのディズニー出身者による研修プランも多数紹介しています。

ディズニー流の人材育成や安全管理に興味をお持ちの研修担当者様は、ぜひ参考にしてください。

ディズニーランドが夢の国と言われる所以

ディズニーランドが夢の国と言われるのは、ゲストの期待を遥かに上回る感動の体験を提供しているからです。そしてその感動を生み出しているのは、キャストと呼ばれるスタッフの対応に他なりません。

幼い女の子のゲストをプリンセスとしてうやうやしく扱ったり、掃除をしながら楽しいパフォーマンスを見せてくれたり、といったキャストの素晴らしい対応がしばしば話題になります。キャスト一人ひとりが「どうすればゲストを幸せにできるか」を追求して、ゲストの夢を壊さないようプロ意識をもって臨んでいるからこそ、ゲストはディズニーランドで夢のような1日を過ごすことができるのです。

ディズニーランドを支えるキャストの存在

「キャスト」とは役者を意味する言葉で、ディズニーランドのキャストは誰もが感動を与えるショーの出演者として働いています。ディズニーランドのキャストがいつも笑顔でいられるのは、ディズニーリゾートの運営会社が企業としてキャストのエンゲージメント(働きがい)を高める組織づくりに取り組んでいるためです。

ディズニーランドではすべてのキャストに「ハピネスの創造」という最終目標が共有されています。そしてルールやマニュアルに従うことよりも、キャストが目標に向かって自ら考え行動することを称賛する文化があります。

ディズニーには守るべき5つの行動基準(次の章で詳説)があり、それに基づいてゲストを幸せにするやり方をキャストが自分で考えて行動することが高く評価されるため、仕事にやりがいを感じやすくなるのです。

夢の国を実現する5つの行動基準

ディズニーランドでは「ハピネスの創造」を実現するために、具体的な5つの行動基準を設けています。

  1. Safety(安全)
    安全はすべての楽しさの大前提となるものです。ディズ二ーでは5つの行動基準のなかで安全を最も重視しています。
  2. Courtesy(礼儀正しさ)
    ディズニーの考える礼儀正しさとは型通りの接客ではありません。各キャストが目の前のゲストの視点に立って対応をする、おもてなしの心を意味しています。
  3. Inclusion(多様性)
    ディズニーランドを訪れるゲストは、多様な考え方や文化を持っています。キャストにはそれらを受け入れ、歓迎することが求められます。
  4. Show(ショー)
    ディズニーではゲストの目に触れるものすべてがショーだと考えています。清掃の仕事もキャストは「毎日が初演」という気持ちで取り組んでいます。
  5. Efficiency(効率)
    ディズニーの考える「効率」とは、ゲストの時間を無駄にせず少しでも多くの体験をしてもらうことです。

参照: ディズニーの行動規準「The Five Keys~5つの鍵~」

ディズニーのオンリーワンな教育制度

ディズニーランドでは、新人キャストは入社して3日でパークでの業務にあたります。まだ仕事を覚えていない状態でゲストの前に出すのはリスクがあるように思えますが、これこそが自律型人材を育成するポイントです。

ディズニーでは「ハピネスの創造」という最終目標と5つの行動基準をしっかり伝えたあと、その実現のために何をすべきかはキャスト自身に考えさせます。それによってキャストは、マニュアルを覚えることよりも、目の前のゲストが何を求めているか考えることに集中できるのです。

またディズニーには「MAGIC」と呼ばれる以下のような5段階の昇格制度があります。

  1. Make-up…先輩のサポートを受けながら標準的な業務を行う
  2. Act…自身で考えて業務を行える
  3. Growing-up…自身で考えて業務を行い、後輩のアドバイスを行う
  4. Instruct…後輩のトレーニングとフォローを行う
  5. Captain…部署内のスタッフの成長を促し、部署を統率する

業務に取り組むなかでゲストに素晴らしい対応をし、後輩キャストからも慕われる一部のキャストが、トレーナーとして指導にあたる仕組みです。そのトレーナーキャストからさらに選抜されたキャストは、すべてのキャストの手本として本社での研修も行います。

ディズニー研修の魅力


ディズニー出身の講師による研修は人気があり、多くの企業で導入されています。ここではディズニー研修の5つの魅力について解説します。

①99%のリピート率を誇る高いホスピタリティ精神(CS)が学べる

1つ目は、ゲストに夢の国と感じさせるディズニーランドのホスピタリティが学べることです。

ディズニーランドのリピート率は99%と言われています。一度来園したゲストがほぼ確実に「また来たい」と思うのは、キャストが単なる満足ではなく、満足を超えた感動を提供するからです。

キャストは一人ひとりが「ディズニーならこのレベルのサービスが当たり前」というプライドをもって、ゲストに対応しています。ディズニー研修では、従業員のプロ意識を高め、現場におもてなしの精神を根付かせる方法が学べます。

②自立型社員にする人材育成術が学べる

2つ目の魅力は、自律型人材を育てるディズニー流の人材育成術を学べることです。

ディズニーではキャストの主体的な成長や挑戦を促す仕組みを整えています。例えばゲストへの素晴らしい対応に対して、キャスト同士でそれを称えるメッセージカード「ファイブスターカード」を贈り合う文化があります。自発的な行動を評価してもらうことが、次はもっと素晴らしいおもてなしを実践したいという意欲につながる仕組みです。

ディズニー研修では他にも、従業員エンゲージメントを高めて優れたパフォーマンスを引き出す育成術や、キャストの自立的なキャリア形成を支援する教育プログラムについて学ぶことができます。

③世界に誇れる高い安全管理術が学べる

3つ目の魅力は、世界的にみても高い水準にあるディズニーランドの安全管理の仕組みです。

ディズニーではゲストの安全と同様に、キャストの安全も非常に重要視しています。運営会社であるオリエンタルランドの人事本部長を委員長とした安全衛生委員会があり、労働者代表もそのメンバーとして従業員の安全衛生に関する計画などを策定しています。

また従業員の心身の健康を維持するため、受診率の目標値などを設定したうえで、定期健康診断やメンタルヘルスチェックなどの取り組みも続けています。

研修ではゲストの安全を守るために、まずキャストの安全と心身の健康を確保するというディズニー流の考えから学ぶことができます。

④未来を見据えるリーダーシップ術が学べる

4つ目の魅力は、時代が変わっても成果を出し続けられるリーダーシップ術の習得です。

ディズニーでは、社会の変化に対応するリーダーの条件として、常に学び続ける人材であることを挙げています。そしてリーダーとなる人材には市場や顧客、さらには部下からも学び、その気づきを行動に落とし込むことを求めます。

さらにディズニーのリーダーたちは感動を共有することでキャストのモチベーションを高めることや、キャストが失敗を恐れず挑戦する心理的安全性の高いチームづくりに長けています。研修では、こうしたディズニー出身のリーダーたちからリーダーシップについて学ぶことができます。

⑤先進的な働き方改革・ダイバーシティの考え方が学べる

最後は、キャストの幸福度を重視した働き方改革、ダイバーシティへの取り組みを学べることです。

ディズニーはキャストの家庭生活の充実が、より良いパフォーマンスを引き出すと考えています。そのため育児休暇や介護休暇、子育て支援の制度が豊富です。

またすべてのキャストが個性や強みを発揮できる環境をつくるために、性別・人種・文化・障害など互いの多様性を理解する社内教育に力を入れています。さらにジェンダーレスな服装規定、障がいのあるキャストの業務拡大などの取り組みにも積極的です。

研修ではディズニーの具体的な施策について学ぶことで、従業員の満足度向上やダイバーシティについての考え方が身に付きます。

ディズニー出身者によるおすすめの研修プラン


最後に、当社おすすめのディズニー出身の講師による研修プランをご紹介します。

①顧客満足度・ホスピタリティ


image1

安孫子 薫

東京ディズニーランド/東京ディズニーシー
元 運営部長・カストーディアル部長

ディズニーランドの『おもてなし』の仕組み ~すべてはゲストのハピネスのために~

東京ディズニーランド開業時から運営に携わってきた講師による、ディズニー流ホスピタリティ研修。「ディズニーフィロソフィー」と呼ばれる独自のパーク運営哲学が学べるプランです。講師自身の経験から、いかにお客様の満足度を高めるかを熱く解説します。


image1

今井千尋

株式会社ワンダーイマジニア 代表取締役
2大テーマパーク 人材育成・人材開発トレーナー

2大テーマパーク流CS/ES向上研修 お客様に愛され、選ばれ続けるCS(顧客満足・一流のおもてなし)、従業員一人ひとりが輝くES(従業員満足・エンゲージメント力高い人材)を高める圧倒的な考え方とやり方を学ぶ

顧客満足度を高めるためには、まず従業員満足度を向上させなくてはなりません。ディズニーランド・ユニバーサルスタジオジャパンの2大テーマパークで人材の育成と開発を手がけた講師が、従業員が自発的に顧客の満足のために動くようになる組織の作り方について解説します。


image1

今井 卓

ホスピタリティ講師
ビジネスマナー講師
管理職研修講師

ディズニーキャストが実践する お客様からも自分からも愛される魔法のコツ

お客様に「あなたから買いたい」と思ってもらえる接客やコミュニケーションとは?まずはスタッフ一人ひとりが毎日充実した気持ちで働ける環境が必要です。ディズニーでダンサーやトレーナー、企画運営などを担当した講師が、顧客満足度を実現する秘訣を伝授します。


image1

大畠崇央

『ディズニー流感動を生む企画の秘密』著者
上級マーケティング解析

お客様が集まるホスピタリティ ~CS向上のユーザーエクスペリエンスとは~

接客とはホスピタリティの一部でしかありません。元ウォルト・ディズニー シニアプロデューサー講師が、ホスピタリティの全容を体系的に解説し、営業活動やWebでの対応などあらゆる場面で顧客満足度を実現するスキルをレクチャーします。


image1

加賀屋克美

加賀屋感動ストアーマネジメント 代表取締役

日米のディズニーで教わった販売と感動のサービス

ディズニー流のサービスについて学ぶことができる研修プラン。講師は東京ディズニーランドとディズニーストア、さらに本場アメリカのディズニーで、徹底して顧客を感動させるサービスを習得。講師自身のそれらの経験を交えて解説します。映像資料なども用いて、誰にでもわかりやすい内容です。


image1

香取貴信

有限会社香取感動マネジメント 代表取締役

社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった~私の体験したディズニーマジック・感動を呼ぶサービス!!~

ディズニー流の顧客満足追求の姿勢について、講師の実体験から学べる講演。講師はディズニーでさまざまな業務を経験し、そこで学んだ顧客満足度向上のポイントや人材育成に関する多数の著書が、多くのビジネスパーソンから注目を集めています。ディズニー研修らしい感動的なエピソードも豊富な内容です。

②人材育成


image1

大住 力

公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を 代表

【ホスピタリティ・リーダーシップ】 もしもディズニーが店長だったら

東京ディズニーランドで実際に人材教育やマネジメントに携わった講師が、「自分で考え、自分で動く」自立型人材を育成する方法について解説します。講師はコミュニケーションやホスピタリティについての講演実績や著書も多数。どの業界でも実践していただける、人材育成の秘訣を伝授します。


image1

鎌田 洋

株式会社ヴィジョナリー・ジャパン 代表取締役

顧客の期待を超える人財の育成

管理職向けの人材育成研修。マニュアルがなくてもキャスト一人ひとりが最高のサービスを提供できる、ディズニーの人材育成の秘訣が学べます。講師はディズニーランドでトレーナーやエリアスーパーバイザーの経験があり、そこで学んだ哲学を多数の著書の中で紹介しています。


image1

高橋真樹

ディズニー流人財育成コンサルタント
共育コーチ
乳がんサバイバー

ディズニー流人財育成で主体的な人財を育成する

人材育成の実践的手法を、ロールプレイング形式で習得できる研修プラン。ディズニーランドで15万人のキャストの育成を経験した講師が、「いかに主体性を育むか」という視点での育成術をお伝えします。効果的な声かけなど、明日からすぐに取り入れられるノウハウが詰まった内容です。


image1

福島文二郎

JSパートナー株式会社 代表取締役

ディズニーのホスピタリティ育成 ~9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方~

ホスピティリティとは相手に対する主体的な思いやりのことです。オリエンタルランドで人材教育やオペレーション責任者を勤めた講師が、ホスピタリティ・マインドの育成の仕方を解説します。ディズニーでの実例を紹介したり、ワークなどで受講者が実際にホスピタリティを体験できたりと、楽しみながら学べる研修プランです。

③安全管理


image1

石坂秀己

接客向上委員会&Peace 代表
キャリアコンサルタント(国家資格)

ディズニーリゾートで考える SAFETY

ディズニーで過ごす楽しい時間の大前提となっているのが、安全性です。東京ディズニーランドでアトラクションの責任者を15年勤めた講師が、安全管理の具体的な対策からディズニー流の組織体系の組み立て方までをお伝えします。


image1

石井修一

元 東京ディズニーランド防火管理者
セーフティアドバイザー
防災士

ディズニーのおもてなし~安全、安心なくして夢の王国を実現はなし~

東京ディズニーランドで防火責任者を勤めていた講師による、安全管理研修。ディズニーの5つの行動基準で最も重視される「安全」について、ゲストへのおもてなしという観点から解説します。安全管理だけでなく、ディズニーのフィロソフィー全般について学べるプランです。


image1

清水 群

株式会社スマイルガーディアン 代表取締役

ディズニーランドやUSJで学んだ安全を守ること、安心を提供すること

講師はディズニーランドとユニバーサルスタジオジャパン、2大テーマパークで安全管理の業務に従事してきたテーマパークコンサルタント。人の命に関わるという責任の重さから、仕事が怖くなった体験などもお伝えします。そのうえで、いかに安全を徹底するかという2大テーマパークのノウハウが学べる研修プランです。


image1

竹内 昭

元 株式会社オリエンタルランド 理事
キャリア教育センター 代表

ディズニーランドのおもてなしの基本は安全対策にあり~世界一安全なテーマパークを目指して~

オリエンタルランドの理事も勤めた講師による、安全管理と顧客満足度向上に関する研修。ディズニーで実際に日常的に行われている予防策も紹介。食の安全や衛生、従業員の安全、運行の安全など、あらゆる角度から解説します。

④リーダーシップ


image1

越川昌洋

バルミューダ株式会社 カスタマーリレーションマーケティング部長
株式会社ワンダーイマジニア シニアコンサルタント

【成果を創り出す管理職・リーダー層向け】 圧倒的な‟現場力”を高める、管理職・リーダーが必要なマネジメントコミュニケーション術』

ディズニーで34年間現場トップマネジメントをしてきたマネージャーが、現場をまとめるコミュニケーションを伝授。組織の大きさに関わらず、成果を発揮するマネジメントのポイントを解説します。自分で考えて行動する人材育成のポイントなど、4つのマネジメント力が身に付きます。


image1

町丸義之

ディズニーランド伝説のトレーナー

ディズニーランド伝説のトレーナーが明かす ミッキーマウスに頼らない本物の指導力

人材育成に取り組むリーダー向け研修。ディズニー流の人材育成は、ディズニーランドでしか実践できないものではありません。ディズニーランドの伝説的トレーナーが、再現性の高い指導術を伝授します。ワークやディスカッションを交えた参加型のプランです。

ディズニーランド研修で自社の価値を高める

ディズニー研修を導入すれば、従業員に人材育成術やリーダーシップ、安全管理やホスピタリティの精神を身に付けてもらうことができます。当社では人気のディズニー出身の講師による研修プランを多数ご用意しています。研修ご担当者様はぜひ次回の社内研修としてご検討ください!

あわせて読みたい


社内か社外どっちの講師にすべき? 新人研修を成功に導く講師の選び方

新人研修を行う際、悩ましいのが、講師をどうするかという問題。 …

情報セキュリティ研修で重大事故防止! いま導入が急がれる5つの要因

IT技術の進化は、ビジネスの世界に新たな脅威をもたらしました。…

顧客満足度を上げるクレーム対応研修~求められる内容やニーズ増の背景とは?

クレーム対応は企業にとって重要な機会です。クレームを伝えてきた…


 他の記事をみる

講師が「講師候補」に登録されました
講師が「講師候補」から削除されました